2008年03月11日
宇宙戦艦に関する考察2
宇宙戦艦の武装について。
メガ粒子砲が標準化される以前の宇宙戦艦の主砲は、火装式の実砲だったと聞く。
まあ、それじゃあ、あまりにあまりだから、電磁砲・・・これだと火装式じゃなくなるから電熱化学砲ってことで。弾速(砲の性能の主たる部分だ)でいえば電磁砲のが遥か上だが、なんかレールガンって実用化してない技術なのにすでに陳腐化した感じがしてイヤだ。電熱化学砲のがカッコイイ気分になるので、そっち採用。
まあ、いずれにしろ大質量のものを高速で撃ち出すと反動がヒドい。宇宙でそれはマズいだろ、と思ったが、だからこそそれなりの質量を持つ巨体が必要だったのだと気付く。これが宇宙戦艦がムヤミにデカい理由である。
と思ったが、別に反動軽減の方法はあるんだし、やっぱコロニーに穴開けるだけの火力を地球圏のどこへでも迅速に運ぶにはデカいエンジンが必要で、それに要するプロペラントの入物としての船体はデカくなるんだとしたほうがなんかSF魂が揺さぶられる気がした。このへんの匙加減を見切るには宇宙戦艦の質量を設定し、エンジンの種類を決め、噴射剤を決め、比推力を割り出し・・・なんたらかんたらで軌道計算が必要だが・・・面倒なのでオレはしない。
ここらへんアニメ設定の合理的説明に憑いて廻る憑モノみたいなもんで、なにしろ最初に形状ありきで、それに沿って解釈を進めなくてはならないという縛りである。
ま、それはいい(イイのか!?)
今日の主題はミサイルである。
メガ粒子砲以前、宇宙ではミサイルが主火力だったとは良く聞く話だ。
しかし、ちょっとまて!ミサイルは宇宙でそんなに有効な武器か?
結論から言おう。長距離誘導ミサイルなんて宇宙じゃ使いモンにならんと!
宇宙ではあらゆる運動にプロペラントを消費する。アニメみたく自由自在な軌道を描き飛翔するミサイルなんざ有り得んのだと!もっとブザマに、進行方向とは明後日の方向に頭を向けるため姿勢制御スラスターが噴射される。頭がお目当ての方向に向くと初めて推力方向が変わり軌道が変わるのである。MSも同じだ。姿勢制御スラスター吹かしただけで横っ飛びにスライドするような動きなどありえん。あくまでもまずは姿勢を変え、主推進器の噴射方向を変えることで運動方向が変わるのである。サインコサインなんたらの数式より(数学は致命的にダメだオレ)進行方向と90度の方向に同じ推力を向けても45度しか運動方向は変わらないのは分かるよな?ジグザグに進むとなると、一体どれだけプロペラントを消費するのやら!ああ!アニメの中ではいとも簡単に運動方向が変わるが、現実は厳しい。余りに厳しい。ああ真空!
真っ直ぐ飛んで来るミサイルなんて、迎撃は簡単である。
多少の運動性を持っていても、前述のように宇宙では運動性に縛りがあるから、やはり迎撃はわりと簡単である。なにしろ見通しの良い宇宙空間で想定される交戦距離に対しミサイルの飛翔速度は遅すぎる。着弾まで20分とかかかったら、相手にもそれだけ迎撃するチャンスがあるってコトだ。
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この記事へのコメント
ただし誘導弾としてではなく運動エネルギー弾としてですが
砲身の長さの分だけしか加速できない電熱化学砲やレールガンよりプロペラントの続く限り加速できるミサイルの方が最終的な弾速が出せるのではないでしょうか?
実際LOSATミサイルの弾速は毎秒2000メートルくらいで戦車の120ミリ滑腔砲より速いらしいです
ミサイルを迎撃するにしても宇宙空間では粉々になった破片がショットガンのように襲ってくるはずです
ミサイルを使うにしても砲で撃ち合うにしても交戦距離ってどのくらいになるんでしょうか?
ミノフスキー粒子下では何キロ、何千キロ、何万キロで敵を探知し攻撃を仕掛けるのでしょう?
深く考えると面白いSFのひとつも書けそうなテーマですね。
つ「センサー有効半径」
バンダイのEB本では、MSの戦闘教本「MSパイロットマニュアル」と言うスタイルで、MSの戦闘状況を紹介した読み物があります。
それによると、射撃戦であってもかなりの近距離(目視可能距離)となってますね。
まぁ、それがリアルなのかどうかは知りませんが…。
たとえば宇宙戦艦不要論者の言に従い、地球から月を長距離ミサイルで狙うと、38万km。前述のミサイルは地球の重力を振り切る速度を持ちますが、3万秒以上かかるよ・・・
最終到達地点が決まっていると、その間が長距離になればなるほど軌道は限られてくる。ミサイルの質量やプロペラント量が分かっていれば、さらに予測は容易になる。精密誘導しようとすればするほど迎撃は容易になるワケです。
ミサイルの場合は到達速度まで噴射を続ける必要があり、この間「全天熱源監視システム」とかいう利器でもあれば(多分それくらいあるでしょ。今でも指向性のヤツはあるんだから)運動状況が丸分かりになるっていうデメリットがありそうです。
ただし誘導兵器としてではなく、ハナアルキ氏のいうように運動エネルギー兵器として。十分な距離があれば、最終的な到達スピードは速いし、口径に縛られる砲と違い、弾頭質量を大きくできれば一発の破壊エネルギーも大きくなるから。
長距離では迎撃覚悟でミサイルの飽和攻撃、距離が詰まると(それでも数百〜数千キロ)乱数加速しながら砲撃。
・・・宇宙海戦のセオリーを考察してみましょうか。
さらにレーザーが使えればミサイルを捉えること自体はもっと簡単になると思われます。ただし、レーザーに対する防御はわりと容易だといわれてるので(ミサイルを鏡面仕上げにしちゃうとか、一箇所が加熱されないようにスピンさせとくとか、そんな簡単な方法)、粒子ビームのがイイかな。
自機を中心(カメラを中心としたほうがいいかな)とした球状空間を、光学的データを元に監視できる半径。
2Dでは差分検知法といって、実際に定点監視型の防犯カメラ等に使われてる技術があるんですが、これを移動する自機を中心に3DでやっちまうのがMSのセンサーってワケ。
差分検知についてはフォトショとかのフォトレタッチソフトのレイヤ合成で体感できるから説明イイっすね。同じ画像なら重ね合わせても真っ黒になるヤツ。